2024.01.25
【2024年版】耐震等級3でも必要?制震と免震のメリット・デメリット
能登半島大地震から、新築の耐震性能が再注目されています。現在新築の耐震性能は法律で一定以上の基準を定められており、住宅会社もそれを売りにしていることが多く、「耐震性能は高くて当たり前」という流れになっています。では、よく聞く「制震」や「免震」とは何でしょうか?「耐震」とは何が違うのでしょうか?また、耐震性能が高くても必要なものなのでしょうか? 南大阪・和歌山で注文住宅を建てるスマイクルが、「制震」と「免震」の違いやメリットデメリットを簡単に解説します!
「耐震」「制震」「免震」の違いって何?
最近は「地震に強い」ということは家づくりの基本ですから、よく見聞きするワードではないでしょうか?
ですが、具体的にその違いは何でしょう。簡単に説明します。
耐震とは?
耐震とは、「揺れに耐えられる強い構造を造る」ことです。
そして、耐震性は国から一定以上の基準が定められていることから、現在の住宅はある程度の耐震性が保障されています。
「耐震等級」があるくらいなので、一番なじみ深いワードかもしれませんね。
制震とは?
制震とは、ダンパーなどで「揺れを吸収する工法」です。
ダンパーの種類はオイルや鋼材など様々ですが、装置を構造に取り付けることで地震の揺れを吸収し、建物への負担を大きく減らします。
免震とは?
免震は「揺れを建物に伝えない工法」です。
具体的に説明すると、建物と地盤の間にゴム材などの装置を設置し、建物と地面を離し物理的に揺れを伝えないようにするというものです。
耐震性能が高くても制震・免震は必要?
国が定める「耐震等級」の等級が高いほど耐震性能は高くなります。
耐震等級は震度6~7の大きな揺れを想定しているので、その基準から考えると2~3を取得していれば充分だと思うかもしれません。
ですが、先日の能登半島地震では新耐震基準の住宅が倒壊、さらに熊本地震では耐震等級2の住宅も倒壊したという記録があります。
なぜ等級の高い家も倒壊したのでしょうか?
「耐震」の考え方
そもそも「耐震」の考え方は、家の構造を「揺れに耐えられるように強く造る」ことです。
昨今の家づくりは「耐震等級3」もスタンダードへと変わりつつあり、高い耐震性能をもった家が当たり前となってきています。
しかし、余震が何度も繰り替えされることで金物が曲がったり構造に損傷が生まれ、元の耐震性能を維持できなくなるのです。
耐震等級に関して詳しくはこちらの記事をご覧ください。
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つまり、「耐震」で揺れに耐えうる強い構造を造り、「制震」「免震」で揺れ自体を軽減することで、高い耐震性能を長く保つ地震に強い家づくりが可能となるのです。
「制震」と「免震」どちらがいい?
では、具体的に「制震」と「免震」ではどちらがいいのでしょう?
両方のメリットとデメリットを見てみましょう
制震のメリット
構造自体に装置を取り付けるので、比較的低コストで施工できる。
揺れを吸収するので、地震だけでなく台風などの揺れにも強い。
メンテナンス性が良い。
制震のデメリット
装置の設置場所で効果に差が出る(きちんとした計算が必要)
完全に揺れによる損傷を防げるわけではない。
地盤が弱いと設置できない場合がある(地盤改良が必要)
免震のメリット
地盤と建物が接地していないため、揺れの7~8割はカットできるといわれている。
揺れにくい建物になることで、構造だけでなく建物内の家財なども守ることが出来る。
免震のデメリット
建物そのものと地盤を離すため、地下に装置を設置する必要があり、地盤から工事が必要なため施工コストが高い。
横揺れには強いが、縦の揺れに関しては効果を発揮しない。
台風などの強風、津波など一方向から長く巨大な力が加わるような災害にはどちらかというと向いていない。
湿気のこもりやすい地下に装置があるため、定期的なメンテナンスが必要。
地震の揺れに対しての効果だけ見ると「免震」が勝る
率直に、地震の揺れに対しては「制震」よりも「免震」が効果的といえます。
ただ、制震と免震では、掛かるコストの差が非常に大きく、現実的に採用できるかというと難しい面があります。
更に、デメリットであげた台風や津波などの災害に不向き・縦揺れに弱いといった面を考慮すると、沿岸部などに建築する場合は必ずしも免震が最善の選択ではないかもしれません。
効果の大きさだけを考えると「免震」ですが、コストやメンテナンス性・居住区を考慮すると「制震」の方が適している場合もあります。
大切なのは、自分たちの予算で最善の対策を行うこと
地震対策にコストを掛けすぎて、建物が全く希望通りにならなかった…となると、それはそれで本末転倒となってしまいます。
大切なことは、自分たちの予算でどれだけのことが出来るか、それに納得できるかということです。
スマイクルでは、泉州地域で家を建てる会社として、これから来るであろう南海トラフも見据えた、全棟構造計算を元にした耐震等級3の取得と、制震ダンパー導入による「耐震等級3+制震」の家づくりを標準で行っています。
耐震等級3と制震工法を標準仕様にすることで、コストへの心配をすることなく家づくりを進めることができます。
耐震性能や構造についてのご相談・勉強会も無料で行っていますので、ぜひお気軽にお問合せください!