2022.12.27

『パッシブハウス』ってどんなお家?【省エネ住宅を学ぼう③】

『パッシブハウス』ってどんなお家?【省エネ住宅を学ぼう③】

前回までは、ECOなお家ってどんなお家?~ZEH住宅のお話をしましたが、

「断熱性能」ということが重要なキーポイントとなっていることがお分かりいただけましたでしょうか?

 

 

新築のお家を色々調べていくうちに、ZEH住宅以外に「パッシブハウス」という言葉を目にしたことがあると思います。

今回はそのパッシブハウスについてご紹介します。

 

パッシブハウスとは?

パッシブハウスは、ドイツで誕生した世界基準の省エネ住宅。

日本の気候、風土に根差した省エネ基準、省エネ住宅づくりを目指しています。

パッシブハウスは「環境共生住宅」という考え方で、自然の力を活用することで最小限のエネルギーで快適な居住環境を実現するというものです。

わが国では、”家の造りようは夏をむねとすべし~”と徒然草に記された吉田兼好の言葉が長い間お家づくりの上で理想とされてきました。自然エネルギーを利用するというパッシブハウスの考え方は、実は日本古来の家屋の建て方と似通っています。温暖湿潤気候の日本古来のお家はとても風通しが良く、深い庇が日差しを遮り夏でも涼しく快適に過ごせました。この点が「環境共生住宅」と言え、自然と共に暮らす日本の伝統家屋の素晴らしい特徴でもあります。一方で、「断熱」という考えは重要視されなかったため、隙間が多く気密性の低いお家だったのです。

このような自然エネルギーを利用したお家の造りに高性能な気密性・断熱性を付加することでパッシブハウスが実現します。

 

パッシブハウスの仕様

断熱性能

パッシブハウスの基本性能は、世界基準レベルの気密性と断熱性を有していることです。

ZEH住宅と比べても、かなり高いレベルの性能が求められます。例えば、サッシについて言えば日本においても2枚のガラスの間に空気層を設けた「複層ガラス」は一般的になりsmicleのお家でも標準仕様としています。しかしパッシブハウス基準ではさらに断熱性能の高いアルゴンガスを封入した「トリプルガラス」が使用されます。

当然、サッシの仕様についてもアルミではなく熱の伝わりにくい樹脂サッシか木製サッシが標準となります。

又断熱材についても通常よりも厚いものが必要となり、壁そのものも厚くなります。

冷暖房

パッシブハウスの特徴的な考え方の一つに冷暖房についての基準があります。

それは「エアコン1台で家中快適に過ごせること」。

冷暖房エネルギーに頼りすぎないで、お家の仕様で快適な住環境を作るということが大前提です。具体的な数値でいえば、年間暖房負荷の基準値は15kWh/㎡となっています。

「品確法における一戸建ての住宅の年間暖冷房負荷の基準値」では、断熱等級4の住宅の年間暖房負荷は127.8kWh/㎡を基準としています。パッシブハウスの基準値を比べるとどれほどシビアな基準数値であるかお分かりいただけると思います。

自然エネルギーの活用

もう一つの大きな特徴は、自然エネルギーの活用を重視している点です。一般的な高気密高断熱住宅では、気密性・断熱性を高めて冷暖房効率をあげることで、室内温度を快適に保つことを目的としています。一方パッシブハウスでは自然エネルギーを活用することで冷暖房設備に依存しないエコ住宅を理想としています。

窓の配置で風を通りやすくし庇や木で陽射しを遮り、昼間の太陽を取り込むことで冬の室内を温かくします。

このように積極的に冷暖房エネルギーを使うのではなく、自然のエネルギーを受けて快適な住空間を作り上げるというのが、パッシブ(受け身)ハウスの特徴です。

その為、エネルギー効率をよくするための工夫が随所に取り入れられています。吹き抜けやリビング階段を利用して1階で温めた空気が2階へ上がるようにしたり、太陽や風の動きを計算して設計されます。部屋の仕切りをなくし、エアコン1台で家中を温めたり涼しくしたりというのも特徴です。都市部の住宅密集地では、なかなか理想的な環境を作れないという問題点も出てきます。

デメリット

 

冷暖房の光熱費も少なく、自然と共にくらすお家「パッシブハウス」についてお分かりいただけましたでしょうか。自然素材の良さを知っているsmicleですので、理想的なお家だと思います。

しかしながら、デメリットがあることもご紹介させていただきます。

 

・建築費用が高くなる

高い断熱性能基準を叶えるためには、断熱材や窓なども高い性能のものが必要となります。標準仕様で揃っていることはまずなく、どうしても建築費用が高くなります。

・専門の施工会社が必要となる

設備で理想の環境を作るのではなく、建物自体の工夫で作るので、設計士の裁量によるところが大きくなります。専門の建築士や工務店を見つけることや条件の良い土地を見つけられることが重要になります。

 

 

WB HOUSE

実現するならば少しハードルが高くなる「パッシブハウス」ですが、

お手本にしたい点は沢山あります。

窓の位置の工夫、庇の取り入れ方、木々の配置、は普通のお家でも取り入れやすいのではないでしょうか。

 

 


 

smicleの【WB HOUSE】も、この考え方はとても良く似ています。

WB HOUSEも暖房エネルギーに頼りすぎないで、お家の仕様で快適な住環境を作るという点が基本です。

 

WB HOUSEは機械換気に頼らず壁の中に空気を通す通気断熱工法です。

各部屋に設けた通気口は形状記憶合金で気温に反応して通気量を調節し、壁内の空気層は断熱層となっています。

さらに良い点は、お家が深呼吸するように、空気を通すから〈おうちの空気がきれい〉〈上質な暖かさや涼しさを実現〉します

湿度がこもらないので結露もなく、壁の中の梁や柱も蒸れずに長持し〈耐久性の高いお家〉になります。

こちらの記事で詳しくご紹介していますので、是非一度ご覧ください。

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まとめ

3回に渡りECO住宅についてご紹介いたしました。

「断熱」ということが重要であるとお分かりいただけたと思います。

理想を言えば際限がなくなってしまいますので、初期投資とランニングコストのバランスは大切かもしれません。2022年は、断熱性能基準に関しても、大きな変革期となりました。「住まい」に関する意識も以前とは違ってきたのではないでしょうか。

これから長く暮らすお家なので、「こんなはずじゃなかった・・・」なんてことのないように。

素敵なお家づくりのご参考になれば幸いです。

 

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